子供時代のトラウマの原因と回復の条件について
親を失った~
死亡した場合だけでなく、見捨てられた場合もそうですし、心のつながりを断たれたり
必要な世話をされなかった場合も実質的に「失った」のと同じです。
虐待~
身体的または性的な虐待、きわめて悪意にみちた親のネガティブな言葉や態度による攻撃など
重大な危機~
戦争、自然災害、貧困、重い病気、兄弟姉妹や親しい親族の死などの社会的危機や家族の危機
強いストレス~
親にアルコール依存症や精神障害があったり、長期にわたる両親の不和、家で精神的に不健康な役をやらされる、などの慢性的で永続的なストレスにさらされた場合。
これらのトラウマから回復するには、その出来事とそのために生じた感情について語ることのできる充分な時間と、安全な環境のもとで話を聴いて理解してくれる人が必要です。このプロセスは、トラウマの体験を人と分かち合いながら自分のペースでもう一度通り抜け、自分に対するコントロール力を取り戻すために欠かせません。
もしそのような環境が得られなければ、回復の道は絶たれてしまうといっても過言ではありません。またわかっていない大人は「歯を食いしばるんだ」などと見当違いのことを言って子供が悲しむ機会を奪ってしまいます。
すべてのトラウマの根底にあるのは『喪失』です。
『喪失』には安全の喪失、所有物の喪失、愛の喪失、自己の喪失、などがありますが子供の場合は安心感や信頼感の喪失が特に大きくひびきます。
=不幸にする親 人生を奪われる子供 ダン・ニューハース著より抜粋=