「いつでも帰ってこいや」
「たぶん帰らない」
「そっか」「うん」
家族という枠を抜け出し、家族を守ることを考えたあの頃。
夫婦で交わした最後のふたりの時間。
今日はあの日を思い出した。
個室へと移った母の病室へ身内が入れ替わり立ち代わりになる。
なんだかちょっと賑やかなサロンみたい。
それぞれの記憶をもちよりベッドサイドで答え合わせ。
そうこの時間がいま。
旅立ちの準備に集う奇跡のじかん。
ひとは自分の生きた時間しか知らないのだ。
だから会話はたのしい。
そんなわたしたちの話
母は聞いて感じているすべてを・・。
母は次に何を起こしてくれるのかな。
それぞれがそれぞれに
どう生きてきたのか
もうそれだけなんです。
そんな風にさえ思えるこの頃です。
私の旅立ちのときはどんなふうにしようかとか思わずにはいられない
貴重なじかんもらっているなぁと思い、ふと・・。
なかなかおかぁさんいいじかんすごしてるやん。
穏やかにみんなに囲まれて!
そう思いました。
私のときはどなたがいらしてくださるのかしら
なーんて思いながら今夜は休むとします。