もう一人の自分が話しかけていた。
「あの日より寒さが柔らかいね」
年末の町の喧騒辺りから毎年のように
思い起こされる記憶のにおい
幾重にも紡がれた時間の記憶
五感を通じて蘇る風景
あの頃はひとり謝っていた
どうにもできないいのちの流れに
ごめんねと。
今年のいのちの日の辺り
あの日から紡がれた糸は
ふと気づくと私の手元で
一枚の布となり
私のこれからの指針となって
温かく包み込んでくれています。
まだ少し紡ぐ作業を続けてゆきます。
空からみててね。